半弓のすゝめ~90点を取るためには~
まいどおおきに、住職です。
90点が出たのは五年ぶりの出来事らしいです。
黒点に縦に積み上げることができれば90点に到達できます。
90点代が当たり前の時代の常連さんに話を聞く機会がありました。
矢の刺さり方次第では、80点代で止まってしまう人がいる。
ここで言う矢の刺さり方とは、的に対して垂直に真っすぐ刺さっているかどうか。
真っすぐ刺さっていれば、後半になっても的が見にくくなりません。
矢じりが上向きに刺さっていると、矢羽根で的が見えにくくなります。
真っすぐ矢を飛ばすにはどうするか。
弦を引いた手を目の横に持ってくるか、口の横に持ってくるか
によって矢の角度が違ってきます。(目割、口割といいます)
当然、口よりも目の方が上にあるので、弓を持つ手の位置が変わらなければ、目割の方が角度がついてしまいます。
それに対し、口割だと矢が平行に近くなるので、真っすぐに飛びやすい。
ということになります。
と、いうように射ち方もおすすめはしていますが、前にも言ったように半弓に正解はありません。
このブログでは私の通った道を書き記しているだけです。
みなさんはその道を通ってもいいし、その道を外れて冒険してもいいし、その道を更地にして新たに道を作ってもいいし
とにかく自由です。
これが半弓です。
深く考えすぎてもうまくいかないし、考えなしに射ちまくっても意味はありません。
その中間、折衷案、折り合いをつけることが大事です。
少し仏教的な話になります。
仏教を開いたのはお釈迦様です。
実はお釈迦様は王家の生まれで、何不自由ない生活をしていましたが、とあることから悟りを開くために修行を始めます。
その修行はいわゆる苦行、断食などでしたが、そのような修行では悟りを開けなかったお釈迦様は、贅沢な暮らしでも、修行の生活でもない、中間点を選び、悟りを開いたのです。(中道といいます)
90点を取るためには、悟りを開くくらいの勢いが必要なのかもしれませんね。
大層な事を書きましたが、考えすぎても意味はありません。実際私が90点を出した時も、特に何も考えずに射っていました。
ちなみに、考えないことと集中しないことは違います。
集中力は必要です。
私の師匠であり半弓道場の現オーナー曰く、
この世に的と自分だけしか存在しない。
的以外は白黒に見える世界。
そういう世界を作り上げるほどの集中力を必要とします。
この集中力を身につけるには、経験が必要です。
何度も何度も射つ経験の中で、誰にも邪魔されない集中力を手に入れることができます。
90点を取るためには、いろいろなものが必要です。
必要なものは、半弓でしか身につかないものかもしれません。
しかし、身につけたものは半弓以外でも役に立つものだと思います。
考え方、姿勢、集中力、意識…
長くなりましたが、90点を取るために必要な事を書きました。
そして、今回で半弓のすゝめシリーズは一旦終了です。
何故なら私が現時点で教えられることはこれ以上ないからです。
いつか100点が出たら、そしてそれ以上のものが見つかれば、みなさんに教えることにします。
これからも藤原流半弓術をよろしくお願いします。